約7年前「BubbleUPnP Serverを使用して外出先から自宅ライブラリを聴く」という記事を作成しました。
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当時は、インターネット側から自宅内のネットワーク機器にアクセスするには、ルーターの静的ポート変換設定を行えば簡単にアクセス可能でした。
ですが、今どきのIPv6 over IPv4環境(DS-Lite接続・MAP-E接続)では、IPv4通信の提供方法の関係でインターネット側からのアクセスが昔ほど簡単には出来なくなっています。
そこで、そういった静的ポート変換などの設定を全く不要とする手段として「Tailscale」というサービスを利用して、Bubble UPnP serverへ接続してみる事にしました。
※なお、すでにインターネット側からBubbleUPnP Serverへアクセスできる環境を構築している方向けの内容となっていますので、ご了承下さい。
Tailscaleについてと導入
[Tailscale]とはなんなのか?&導入に関しては、以下のWebサイト記事をご参照いただくのが早いです。
いずれの記事でも参考になりますが、(2)の記事は一部内容が古いため(無料で使える台数など)注意してください。
その他にも「Tailscale 使い方」などでWeb検索していただくと良いかと思います。
接続イメージ
Tailscaleを介した接続の場合、以下のような接続イメージとなります。
Bubble UPnP Server側の設定
- BubbleUPnP ServerがインストールされているPCやNAS(詳しくは後述)へ、Tailscaleクライアントアプリをインストール
- TailscaleアプリにGoogle/Microsoft/GitHubアカウントでログインを行う。
- Tailscaleアプリを常時起動し、Tailscale網へ接続した状態とする。
- TailscaleアプリをAndroid端末へインストール
- TailscaleアプリにGoogle/Microsoft/GitHubアカウントでログインを行う。
- Tailscaleクライアントアプリにて、Tailscale接続を開始
- Bubble UPnPアプリを起動
- Setting ⇒ [Internet access with BubbleUPnP Server] ⇒ [Networks]にて、新規にサーバー設定を行うか既存の設定をタップ。
ここで重要なのは[Server Address]欄に入力するアドレスです。
今まではダイナミックDNSのホスト名や、WAN側のIPv4アドレスを入力していましたが、Tailscaleを介した接続では「Tailscaleから割当られた」プライベートIPアドレスを入力します。各端末にTailscaleから割り当てられたプライベートアドレスは、Web管理画面かスマホなどにインストールしたTailscaleアプリ上で確認ができます。
(例)接続先PCのTailscale上でのIPアドレスが[100.xxx.yyy.zzz]だった場合
[Server address]:http://100.xxx.yyy.zzz:58050(もしくはhttps://100.xxx.yyy.zzz:58051)
※ [Server Address]以外の入力項目内容は変わりありません。
※ [Server Address]をホスト名で指定することもできますが、TailscaleのMagicDNS機能を理解しておく必要があります。
※ [Server Address]をLAN側のプライベートアドレスで指定することもできますが、Tailscaleのサブネットルーター機能の設定が必要。
ここまで設定を行ったら、実際に接続してみます。
接続手順
- スマートフォン/タブレットにて、Tailscaleクライアントアプリを起動し、接続する
※必ずTailscaleへの接続を先に行います。順番を逆にすると、端末内の経路情報が書き換わるまでBubble UPnPアプリからサーバーへの通信が成立しない現象が発生します
- BubbleUPnPアプリを起動
- 設定 → [Internet access]に登録してあるBubbleUPnPサーバーへの設定を有効化し、[APPLY]をタップ
- 設定欄の設定名右に(connected)の表示が出たら、Libraryメニューから自宅側メディアサーバーが見えているか確認
TailscaleクライアントアプリのNASへのインストール
メディアサーバーやBubble UPnP ServerをNASにインストールされている方もいらっしゃるかと思いますが、そのNAS上でTailscaleクライアントアプリを動かすことも可能です。
Tailscale公式のサポートドキュメント(https://tailscale.com/kb/integrations/nas/)にQNAP/Synology/FreeNASでの利用について記載がありますので、参照の上インストールを行えばNAS上のTailscaleアプリを通して、Bubble UPnP Serverへの接続も可能になると思われます。
最後に
IPv6 over IPv4の接続環境であっても、こういったサービスを併用する事によって接続環境を稼働することが可能です。従来から利用していたBubble UPnP Serverの環境を引き続き利用できますので、ぜひお試しいただければと思います。